「先輩として、ですか」

「そうだ。
お前らは一生俺達の大事な可愛い後輩だからな」

「先輩……」

「玲も夏樹もあんなで、俺も頼りないけどさ……でも、お前らのことは大事に思ってるよ。
大和が辛いって言えばいつでも肩貸してやるし、栞奈が泣きそうになったら泣き止むまでずっとそばにいてやるし、蓮が助けてって言えばすぐすっ飛んでいく」


……たった一年。

たった一年しか年が変わらないのに……先輩がすごく大きな存在に思えた。


「だから……何かあったら、いつでも頼ってこい」

「……また、高校の時みたいに苦労人になっちゃいますよ」

「玲と夏樹と一緒にいる時点で俺はすでに苦労人だよ」


でも……それは俺が望んで一緒にいるだけだから。


鳴瀬先輩はそう言って笑う。

……鳴瀬先輩も大事なもの見つけてるじゃないですか。


「……大和。
卒業したら、一緒にバスケしよう。
蓮も栞奈も呼んで。
監督に頼んで、体育館貸してもらってさ」

「じゃあ……監督に頭下げて頼むのは先輩の役目っすね」

「俺かよ。
……まぁ、いいけど」


先輩はいまだに遊具で遊んでる四人の方を見ながら、小さく笑った。


……きっと、この人達には一生世話になるだろう。


だから……もし俺が新しい夢を見つけたら、この人達に報告しよう。


……そして……一歩一歩進みながら、夢を叶えていこう。


一つずつ……まだ見えぬ未来に向けて――