「大丈夫。雄治はきっと、おゆきちゃんのこと嫌ってなんかいないわ!
 だから安心してうちへ遊びにきてね?おゆきちゃんが来ても怒ったりしないよう、私がよぉく言い聞かせておくから!」



 満面の笑みで力強く言ってくれるさき子さまが、とてもとても頼もしくて、私は笑った。



 「ありがとうございます。では今度はきっと、私が遊びに参りますね!」



 私たちは、笑いあった。





 さき子さまが帰られたあと、私の心は軽くなった。
 利勝さまの心の中が、さき子さまを通して、少しだけ見えた気がして。


 もう利勝さまのことで思い煩うのはやめよう。
 そして約束した通り、近いうちに遊びに伺おう。


 たとえ利勝さまに迷惑がられても、もう負けないんだ。