「やっぱり……!」
確信を得たように、さき子さまはつぶやいた。
「あのね、雄治はちょっと不作法なとこもあるけれど、あれでけっこう優しいところもあるのよ?
だからこのあいだ、おゆきちゃんを怖がらせたこと……許してほしいの。私も謝るから!ね?」
「そ、そうゆう訳ではございません!それに大丈夫です!ちゃんと……優しい方だって、存じておりますから」
あわてて私が言うと、さき子さまはひっかかるその言い様に軽く眉をひそめた。
「おゆきちゃん……。あの子と何かあったの?」
まじまじと見つめられて、戸惑いながらも胸の内を打ち明ける。
「……じつは、あの日。くら子さまとさき子さまに助けられた日に探していたお方が、利勝さま……じゃなくて、雄治さまだったんです」
さき子さまは、大きな目をしばたたく。
「あら……!じゃあ、以前迷子になった時に家まで送ってくれたお方っていうのが、あの子だったってわけ!?」
私はコクンと頷いた。
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