次の日。私は一日中、家にいた。
痛くも何とも感じない足を、痛いと偽って。
お礼伺いには、母さまひとりで行ってもらった。
……失礼だということは、重々承知している。
母さまが兄さまに聞いて、南花畑というところにある利勝さまのお屋敷に出かけて行くと、私はなんともいえない寂しさを感じた。
「そんなに塞ぎ込むんなら、ご一緒に行けばよろしかったじゃないですか」
縁側でひとりポツンと座る私に、まつが声をかけてくる。
「……べつに。私はもう、お礼を言ったし」
「けれど、お会いしたかったんじゃありませんか?」
……そりゃあ、会いたかったわ。くら子さまやさき子さまに。そして、利勝さまにも。
けれど………。
「意地を張っても、何も良いことはありませんよ?」
「………」
ふてくされた顔で何も答えないでいると、まつは困った表情のまま行ってしまった。
.

