そうだ そうだと声があがるなか、雄治が立ち上がって言った。
「待ってくれよ!まだ刀も折れてないし、弾薬だって尽きてない!
俺はまだ 戦える!!
どうせ死ぬなら、敵陣に斬りこんでひとりでも多く敵を倒してから死にたい!!」
「そうだ……俺もまだ戦える」
歩くことも満足にいかず、俺の肩を借りているくせに、となりにいる和助までもがそんなことを言う。
「和助。お前の豪胆さは、よくわかったから」
俺は呆れて言いつつも、和助の気骨には感心するものがあった。
だが雄治の言葉に西川どのが反論する。
「しかしな、永瀬。お前も見ただろう?敵の武器は最新式の銃ばかりだ。
俺達の持つ旧式銃とは、威力の差がありすぎる。
たとえ斬り込んだとしても、相手に刃が届く前に銃弾に撃ち抜かれるだけだ」
「それでも構わん!たとえ勝てない相手だとわかっていても、主君のために断固戦う!!
それが会津武士だろう⁉︎ 俺達は今までそう教えられてきたはずだ!!」
西川どのの言葉にも、雄治は意志を曲げない。
だが西川どのも、まっすぐ雄治を見据えて語気を強めた。
「敵弾を受けてそれで死ねればいいが、万が一 負傷しただけで敵に捕われたらどうする?それこそ家門の恥だ」
「―――!!」
それには雄治も、さすがに言葉を詰まらせた。
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