俺達の右端にいた野村どのの銃は、何発目かで銃口が裂けてしまい、使い物にならなくなった。
「くそうっ!こんな銃では役に立たん!! 」
銃を地面に投げつけるとやにわに抜刀し、目の前の敵軍に斬り込もうとする。
それをとなりにいた西川どのが止めた。
「やめろ駒四郎!! ひとりで駆け出せば、敵のいい目標になるぞ!馬鹿なことはよせ!!」
制された野村どのは納得いかない様子だったが、そばで指揮をとっていた山内さまが背負っているスペンサー銃(連発元込式の新式銃)を見つけて目を光らせた。
「小隊長どの!背中の銃をお貸し願えませんか!隊長たる者は指揮官なのですから、銃は不要でしょう!?」
言うが早いか、野村どのは奪い取るように新式連発銃を借りると、面白いように撃ちまくった。
野村どののそんな姿に、自然と隊士達の士気も上がる。
「ようし!俺達だってやるぞ!」
勢いがついて、皆も銃身が熱くなるのも構わずに撃ち続けた。
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