ダ、ダ、ダ―――ン!!!
耳をつんざくような轟音が辺りに響く。
つかの間 耳を聾するが、それを気にしているヒマなどない。すぐに次の弾を込める。
側面に俺達が潜んでいると気づいた敵兵は、すぐさま反撃し、激しい撃ち合いとなった。
敵は俺達が一発撃つあいだに、何発もの弾を撃ち込んでくる。
頭のすぐ上を、風を切り裂くように銃弾が飛ぶ。
俺達が手にしていた銃は、ほとんどが旧式のヤーゲル銃かゲベール銃で先込め式(銃口から弾を込める)だ。
これは火繩銃よりかはマシという程度の装備で、元込め式(銃身の後ろから弾を込める)の新式銃を持つ敵兵とは、明らかに差異があった。
草深い原野に身を伏せながら、それでも俺達も次々と発砲する。
雄治は砲術の稽古をかかさず続けてきただけあって、そんな銃でも弾を装填するのが早い。
だがその銃も、十数発も撃てば、銃身が焼けるように熱くなってくる。
しかも昨夜からの雨で火薬が濡れてしまい、使えないものもあった。
※聾する……耳を聞こえなくさせる。
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