雄治は俺とほとんど変わらぬその体躯を、あいだに割り込ませた。
「なんだあ?お前」
そいつが面食らったように雄治を見る。
「いまチビって馬鹿にしただろう!こいつに謝れよ!」
雄治が大きな目で睨みつけると、そいつは目をパチクリしてから笑って謝った。
「……ああ!すまん、悪気はなかったんだ。気を悪くしたなら謝るよ、本当にすまなかった」
「別に。気にしませんよ」
柱を拭きながら素っ気なく答えると、そいつはポリポリと頭を掻きながら立ち去っていった。
それを見ていた雄治は、不満そうな声をぶつけてくる。
「おい、お前!なんで馬鹿にされてんのに何も言い返さないんだよ!
チビなんて言われて、お前 悔しくないのか!?」
反論しない俺にも腹が立っているようで、その目が鋭くこちらを睨んでいた。
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