行進するなか、重々しい雨雲からとうとう雨が降り出す。


滝沢本陣に到着すると、すぐ戸ノ口原からの援軍要請の急使がきた。


敵の先峰隊が、十六橋を占拠したらしいのだ。


いずれ敵の本隊は十六橋を渡り、戸ノ口原・大野ケ原に侵入してくる。


味方の軍は兵を増強し、なんとしてもここで敵の進軍を阻止せねばならなかった。

戸ノ口原からは援兵の催促が何度も届く。

だが 援兵に送れるような部隊はもう、我々白虎隊しかいなかった。


悩み抜いたすえ、宰相さまは我々に出動命令を下した。



とうとう 念願の戦地へ。