ふと利勝さまのことを思い、兄さまにお尋ねした。



 「兄さま、利勝さまもやはり同じ白虎隊に……?」

 「ああ。雄治も俺と同じ、士中二番隊に配属された。俊彦も、井深も一緒だ。だが……」



 一度言葉を切って、兄さまは残念そうなお顔をなされる。



 「悌次郎は、白虎隊に入隊することができなかった」

 「え……!それは何故にございますか!?」

 「悌次郎はお前と同じ、安政元年の生まれなんだ。今年はまだ十五。だから外された。
 あいつもさぞ、くやしかっただろうな……」



 それを聞いて私は驚いた。


 悌次郎さま、あんなにお身体が大きくていらっしゃるのに、私と同じ年だったなんて。



 ……言われてみればたしかに、まだ幼いというか、可愛らしいお顔をなさっていたような気もするけど。



 それよりも生まれが一年遅かっただけで、明暗が分けられてしまうなんて。



 さぞかし落ち込んでおられるだろうな……。