兄さまは笑った。



 「俺達としては、すぐにでも戦地に赴きたいところだがな。
 だが 我が藩には、鳥羽・伏見で戦い抜いた猛将が揃っておられる。
 とりあえず明日から、お城の三の丸でフランス陸軍式とやらの軍事調練に参加することになった」

 「……さようですか……」



 涙目を隠して私は俯く。



 ―――我が会津藩は、朝廷に弓を引く考えはないと諸藩に訴えながらも、藩境には守備隊を配置し、迫りくるその時に備えている。



 いつか この会津にも敵が攻めてくるのだろうか?



 その時は 兄さまも、そして 利勝さまも。


 戦地へ向かうことになるのだろうか……?