この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜




 まつはずっと、そんなふうに思ってたの?
 そんなつらい想いを、自分の胸に抱えていたの?

 それなのに私は。
 何も知らないとはいえ、まつと兄さまのあいだに割り込んで。
 自分もその中に受け入れてもらえてると、信じて疑わなかった。


 まつはいつも優しくて。
 いつも私の味方になってくれて。

 本当にいい姉上だと思ってた。

 大好きだった。


 ―――なのに。まつにとっての私は。


 どれだけ邪魔な存在だったことだろう。
 そしてどれだけ自分を醜く変える存在だったのだろう。


 それなのに、まつの恋を応援したいだなんて。
 私の軽はずみな言葉は、どれだけまつの心を傷つけただろう。


 まつが怒るのは当たり前だ。


 私はまつより身分が高いのをいいことに、自分には何の力もないくせに、
 まつに対して奢った態度を取ったのだ。