この空のした。〜君たちは確かに生きていた〜





 まつは泣いていた。
 私も泣いていた。


 ――――私は。私は、なんてことを。



 「……ごめんなさい。私……!本当にごめんなさい……っ!!」



 逃げていた。

 まつに申し訳なくて。
 あの場にいるのがつらくて。

 うまく走れなくて、私は履物を脱いだ。

 それでもうまく走れなくて。
 泣きながら門をくぐると、夢中で走った。

 こんなに走るのは生まれて初めてで、足がもつれて何度も転んだ。

 それでも、起き上がって私は走った。

 はたから見れば、走るうちにも入らないかもしれない。
 それでも、心が悲鳴をあげるまま走った。

 目の前に浮かぶまつの涙を、何度も何度も振り払いながら。