もうちょっと女っぽい名前をつけられなかったのかなと、少し疑問に感じた。

「…!!」

なぜか、みるみる女の子の目が、つり上がっていく。とても怖い。

「な、なんで怒ってるんですか?」

恵美は恐怖に怯えながらも、問いかけた。

「俺はなぁ…。カイトちゃんじゃねぇ!」

女の子(?)は叫んだ。

「え。…えぇ!!」

恵美は目を見開く。今までで一番、目を見開いた。

「そんなに驚くな!このバカが!!」



恵美はとんでもない大失態をおかした。どうやら目の前にいるまつ毛の長い人は、男だったらしい。今も不機嫌そうに、舌打ちをしている。

「あ、あの…。」

「俺、もう相談にのってやんねぇから!」

この通りだ。少し大人げない気もするが、ここは素直に退散しよう。

「ごめんなさい…。帰りますね。」

「ま、待て!! 話ぐらいは聞いてやるよ。」