「誰かいますか…?」

恵美は不安そうに、教室の中を伺った。すると中から声が聞こえてくる。

「いるけどー?何。」

まつ毛の長い、可愛い女の子だ。恵美はついつい、その顔に見とれてしまった。確か、名前はカイトだったはず。男っぽい名前だが、たいして気にせず、名前で呼んだ。

「カイトちゃんですか?」