規則一ができてから、この国には銃や剣をかたどったもの、また、武術の廃止や武器暴力等が描写されている写真やゲーム、映画ドラマアニメ漫画の類いはすべて発禁となりました。


規則二ができてから、国民は顔はにこにこ笑いながらも心はびくびく怯えるようになりました。


なぜ?

理由は明白!

『笑っていないと他人の気分を害してしまう』ことになるぐらい、文面以上に規則が厳しいからなのです。

これが嫌だからといって家にこもれば規則二追記違反として罰を受け、
言いたいことを言えばそれで傷つく人がいるかもしれません。

この国は従来からあった人権を撤廃し、かつ国民を擁護する形で規則を立てました。

人権がないことはすなわち、立件されれば問答無用で即お縄。

被害者の泣き寝入りは無くなり、冤罪が相次ぎ無駄な拘留期間等も撤廃。捕まれば全てが終わりなのです。

だから誰も本当のことは言いません。


真綿を被せた美辞麗句をお互いに与え続けます。もちろん相互了解の上なので、誰も誰かを信じません。


しかし、悪いことばかりではありません。各国の評価通り、この国には暴動も犯罪もなく、何を基準にするかにもよりますが、一般論としてこの世で限りなく平和に近い国であるのは確かなのです。


どうしても何かにすがり頼りたいならば、テレビを見ればいい。規則三、国家放送は虚偽の内容を報道しない。

この国の朝から天気予報や占いが消えたのも、この規則ゆえなのです。