「俺達は先にリビングにいるな。準備が終わったらこい」


「うん。分かった」


八尋はそう言うと、準備の終わった綺羅達とリビングに行ってしまった。


……早く準備しよっ。


八尋に与えられた部屋は、2階にある客室。


そこは…。


「…懐かしい」


小さい頃よく八尋と遊んだ部屋だった。


……家具もあの頃のままだ。


もう…5年もたってるのに…。


あの頃と全然変わらないことがすごく嬉しいなんて…。


この家を、家族を捨てた私が思っていいことじゃない。


だから今だけは…。