私は新を置いて、みんなを追って中へと踏み込む。


ははっ、この一歩はなかなか大きいな。


「あ、きたきた。あれ?新は〜?」


「置いてきた」


「さすがちーちゃん!」


何がさすがなのでしょうか、遥さんよ。


あえてそこは聞かないけど。


「千尋はここを使ってくれ」


「ここ?」


「ああ。俺はその隣で、綺羅と浩平が右、遥と新は左側の部屋にいるから」


「……みんな、何回か来てるの?」


私は各自部屋に入るみんなを見て聞いて言った。


だって、みんな八尋が言う前に部屋に入ったんだもん。


慣れてるようにしか見えない。


「ん?ああ。よく泊まるんだよ。だから部屋知ってんだ」


ふーん…。


だから私は1人なんだね…。


その方が楽で有難いけど。