舞う蝶と聖なる龍

とりあえず健ちゃんに電話っと。


えっと携帯は…。


あ、あったあった。


携帯とかあんまり使わねぇから、カバンの奥に突っ込んでたんだった。


健ちゃんにはいつも携帯をちゃんと持ち歩け!って言われてたなー。


…っと、それより電話かけねぇと。


電話を掛けようとすると。


──どんっ。


何かにぶつかってしまった。


っ!やばいっ。


急すぎてバランスが!


この後くるだろう痛みに目を瞑ると、腕を引かれた。


…へ?


「ごめんっ。大丈夫?」


「あ、ああ」


わぁ~。


かわいい…。


倒れそうになった私を引っぱってくれたのは、かわいい顔をした男の子だった。