「おじさんが?いい人じゃん」


俺も新に同意だ。


不良なんて親から嫌われてるものなのに、あの人は受け止め、仲間の俺たちにも良くしてくれてる。


受け止めることができたのは、仕事柄ってこともあっただろうが。


俺たちにとっては第2の父親のような人。


「…いろいろあってさ」


そう言った八尋の顔はすごく悲しそうだった。


双子の姉が自分が尊敬してる人を嫌って家出…。


すごく辛いと思う。


俺なら姉を恨むだろう。


だけど八尋は恨むこともせず、ずっと姉を探してる。


本当にすごいよ、お前は…。


「で、その双子の姉の名前が…」


「千尋…」


「そう。だから名前を聞いて驚いた。でもあいつは女だ。男子校にいるわけがねぇ」


辛そうに笑う八尋に胸が痛む。