「正統派の族もいる」


わかってる。


黒蝶も…正統派の族だから…。


それは正統派であった黒蝶の総長だった私が1番よく知ってる。


「ああ。だけど正統派の族ばっかじゃねぇ」


正統派がいる分、汚い族もそれだけいる。


潰してもキリがないくらいに…な。


それに族に関わると黒蝶に見つかる可能性がある。


それだけは勘弁したい。


だから…。


「俺に関わるな。関わるならお前らを潰す」


私がそう言うと聖龍は黙った。


「じゃあな」


私はそんな聖龍を横目に、静かに屋上を後にした。