舞う蝶と聖なる龍

「千尋!!」


フェンスを乗り越えようとすると、春樹に腕をつかまれた。


なんでっ!?


「離して!!早くしないと、みんながっ!!」


「千尋!落ち着いて!」


「……っごめん」


そうだった。


私が落ち着かないでどうすんのよ…っ。


冷静を失えば、私も、聖龍も危なくなるっ。


「千尋」


「えっ…?」


名前を呼ばれ、うつむいていた顔を上げる。


そこには、笑顔で大きめの袋を差し出す春樹がいた。