舞う蝶と聖なる龍

聖龍が騒いだっていい。


そう思ってフェンスに向かおうとした時だった。


後ろから、細く、だけどたくましい腕に抱きしめられた。


「っ!?」


「千尋っ!」


「ちーちゃん!」


だ、抱きつかれてしまった…。


春樹は抱きしめる力をまた、強めた。


「おい!千尋から離れろっ!」


「はーなーれーて!」


「やーー!」


八尋と遥が春樹を引っぱるけど、全然離れてくれない。


昔から春樹は甘えただったしね〜。


私は慣れているから別にいいんだけど。


「うぅ~。離してよ~」


「お前が離せっ!」


「ちーちゃんは僕のっ!」


…いつから私は遥のものになったの?