舞う蝶と聖なる龍

教室には行かずに、屋上へと向かい、ドアノブをゆっくりと回す。


…あれれ?


……かぎが開いてる。


おかしいな…。


この時間はみんな教室にいるはずなんだけど。


って事は…聖龍以外の誰か?


そう思い、ゆっくりとドアを開ける。


「おっ!千尋じゃん!」


そこにいたのは新でした。


まっ、そうだよね。


屋上は聖龍の溜まり場って生徒は知ってるから、滅多なことがない限りここにくることはないし。


「新?何してんの?」


「サボリ」


サボリって…ダメじゃん。


って、私も人の事言えないや。


ープルルルルルッ。


鳴り響く電話の着信音。


ん?


「新?」


「ちげぇよ」


んんん?