綺羅side


「ちーちゃん遅いね…」


「初めてきたんだし、迷ってんじゃね?」


俺たちは今、八尋の部屋で千尋を待っている。


だが、いつまで待っても戻ってこない。


すぐに行くと言っていたのに、あれから1時間が経とうとしている。


もし迷ってたとしても、組員の人がいるから迷うはずがない。


八尋の仲間と知っているんだ。


案内してくれるはず。


「…俺、親父のとこ行ってくる」


「僕も行く!」


「分かった」


ハ尋と遥はおじさんの元に行ってしまった。