「あと30秒だ……っ!!」 だれかがそんなことを言う。 何か……ドキドキしてきた。 走ったときから蓮と繋いだままの手をギュッ握る。 蓮の手は温かい。 ───まるで、蓮みたいに、ね? 「………10秒。」 蓮が呟く。 ドキドキ…… 私の胸の高鳴りは止まらない。 10秒後、どんな反応をしている私がいるのかな? なんて考えているうちに、 「……6、5、4」 蓮が残り3秒からはカウントダウンをしなくなり、私を真剣な表情で見つめた。