「由那……」




「私の王子様は……蓮だけだよ」




私がにっこり笑うと、蓮は頬を赤くした。




「私……芹沢君に明日、はっきり言うよ」




「え?」




芹沢君には……はっきり言わなくちゃいけない。




優しい芹沢君にどうしてもはっきり、『私はこれからも蓮しか好きになれない』って言えなかった。




芹沢君の優しさに……甘えてただけだったんだ。




「芹沢君にきっぱり断ってくる。」




そう言うと、蓮は大きく目を見開いた。




「そっか。」




そう言った後、蓮は頬を緩めた。