でも、ありがたく使わせてもらおう!!
芹沢君の折りたたみ傘を大切にギュッと持った。
「……あ、お前ここにいたのか。」
「蓮!!」
振り返ると、そこには呼吸が乱れた蓮がいた。
「はぁ……ほんと、教室にいねぇーから探したんだからな?」
「だって……蓮が教室にいなかったから……先に下駄箱で待ってようと思って」
「あーごめん。実は担任にプリント運ぶの頼まれてたんだ」
蓮は申し訳なさそうに謝る。
そういうことだったのか……
「大丈夫!さ、帰ろう?」
「………あ、俺傘持ってねぇーわ」
「あ、傘借りたから一緒に使おう?折りたたみ傘だから2人だと狭いかもだけど……」
私は黒い折りたたみ傘を蓮に見せる。
その瞬間、蓮は険しい表情をした。