「由那!!!」





「未海ちゃん!!」





人混みの中から未海ちゃんが出てきて、私に抱きついた。




「ごめんね……っ、私が購買に誘ったからこんなことに……っ」




「ううん!!私の不注意だよ……っ」





未海ちゃんと私の会話に割って入るように芹沢君は「じゃ、次から気をつけなよ?」と教室の方へ去っていった。




「芹沢君……」





芹沢君がいなかったら私……っ





てか……芹沢君に笑顔……





いや、でも今のはちゃんとお礼言わないといけなかった場面だし。





「由那。残り物で良いから並ぼっか。」





未海ちゃんは気を遣ったのか、そう言った。





「うん!」





私は大きく頷く。