「………由那、走るぞ」 「へ!?」 蓮は突然、そう言って私の手を取り、超高速で走り出した。 「せ、芹沢君ごめんね!!!」 ポカンとしている芹沢君にそれだけ大声で叫んだ。 芹沢君に悪いことしたなぁ…… 「ちょっと、蓮!どうしたのよ…はぁ…はぁ…」 息切れしながら蓮に問いかけると、蓮はスピードを緩めた。 「……あいつと一刻も早く離れたかっただけ」 「え……」 えぇ!? それはちょっと……ありえない。