「おい、お前は轢かれたいのか?」 眉間にしわを寄せる蓮の右手に、慌てて左手を重ねた。 「蓮、ありがとう!!」 ……夢みたい。 こんな風に蓮と手を繋いで、登校出来るなんて。 私の夢見ていた、小説の世界に似てる…… 「お前はドジすぎなんだよ」 「えへへ、ごめんね」 蓮は文句言いながらも、しっかり手を繋いでくれてる。 蓮から伝わる温もりが、とても愛おしかった。