「いやいや、私で良ければいつでも貸すからね!!」 鞄にシャープペンをしまっていると…… 「い、いたっ!!」 頭を叩かれる。 振り向くと、髪をくしゃくしゃと触る無表情の蓮がいた。 「あ、蓮!」 「お前、まだこんなとこにいたのかよ。歩くの遅すぎ。」 うぅ……どーせ私は蓮みたいに足長くないし、歩幅も小さいですよーだ!! 「結城、おはよ。」 芹沢君が蓮に王子様スマイルを向ける。 「……行くぞ。」 蓮は芹沢君を無視して、更には私の手を引いてズカズカと歩き出した。