私と先輩。



「はぁー、ありがとね誠ちゃん。助かっちゃった」


「いえ…。もしかして、頼みたいことってさっきのですか?」


「うん」


…まぁ、いいか。うん。


「誠!早く行くよ!!」


グイっと奏に手をひかれて、急かされる。


「あ、じゃあ先輩方、しつれいします」


「ばいばーい」


「…」


チラっと、柏崎先輩は見てくれた。


たったこれだけのことなのに、なぜかすごく嬉しかった。