「先輩の下に、消しゴムを落としてしまって…。それ、拾ってもらえますか?」 「…はい」 先輩は普通に消しゴムを拾ってくれた。 拾ってくれないかと思ってたから、少しビックリした。 「…あ、ありがとうございます…」 「…別に」 そう言って、柏崎先輩は視線を元に戻した。 「…先輩って、なんで彼女つくんないんですか?」 「……は?」 先輩は、不思議なものでも見るような目で私を見てきた。 あ、当たり前か。初対面でそんなこと聞かれたら、誰だって変なやつって思うよね。