「…手、そろそろ離そうか?」 「へ?」 視線を落とすと、私は先輩の手を握ったままだった。 顔に、熱が集まる。 「す、すみません!」 バッと先輩の手を離す。 先輩の少し低い体温に、安心している私がいた。 「ううん、いいんだ。嫌な気はしない」 ニコっと笑う先輩。 先輩の笑顔、久しぶりに見たなぁ…。