ぼんやりと外を見ながら、奏の鼻をつかんだままつぶやく。


「ひょっとまほとひゃんッ!ひゃなひてよッ!!」


訳:ちょっと誠ちゃんッ!離してよッ!!


パッと奏の鼻から指を離す。


少しだけ、奏の鼻が赤くなっていた。


「もう、お似合いだと思うのに…」


ボソっとつぶやく奏。


…意外としつこいなぁ…。


「ちょっと、いい?」


先輩の声がした。