周りにいる人は、抱き合ってる私たちをすっごく見ている。 「あ、あの!先輩…!」 心臓がドッキドッキと音を立ててる。 あー、私の心臓の音可愛くないなぁ…。 ドキドキとか、そんなカワイイ音でないのかな。 「…ゴメン。俺、こんなに人を好きになったことなくて…。どうしたらいいか、分かんない」 耳元でぼそぼそをつぶやく仁先輩。 そんな先輩を、とても愛おしく感じて。 私は、そっと先輩を抱きしめ返した。 「…ゴメン、キス、していい?」