不安そうに、下から俺を見上げる由実。 「…うん、好きだよ。俺には、最勝寺さんしか見えない」 「っ、そっか…。ぅん…。でも、あたし、すぐには諦めきれないから…。もう、少しだけ…、好きで、いていい?」 「…俺なんか、好きでいてくれてありがとう」 そう言って、俺は屋上をあとにした。 後ろからは、由実の泣き声が聞こえてくる。 〈伝えたいことがある。今から、教室に行くから、待ってて〉 サッとメールを打って、最勝寺さんにメールを送る。 いよいよ、俺の気持ちを彼女に伝えるんだ…。