「え?」 「…傘、借りる?」 ぶっきらぼうに、私に傘を出している柏崎先輩の顔は、少しだけ赤い。 …なんで、振ったのに優しくしてくれるんですか。 先輩の優しさに、胸がぎゅっとなって、痛い。 なんでそんなに優しいんですか。 ……悔しい。 「…先輩と、一緒がいいです」 仕返しじゃ、ないけど。 ちょっと、先輩がどんな反応するのか、気になる。 「…いいよ」 「え!?」