私と先輩。



「?」


1人、話についていけない柏崎先輩は首をかしげている。


「じゃ、じゃあ柏崎先輩、佐野先輩。失礼します…」


軽く会釈をして、帰ろうとすると…


「待って」


柏崎先輩に、手首を掴まれた。


治まりかけていた心臓が、またドキドキと脈打ち始める。


「先輩…?」


「…送ってく」


まっすぐと、私の目を見て口を開いた先輩。


聞き間違いかと思って、数回まばたきを繰り返してしまう。