「あの、佐野先輩見ませんでしたか?」
「大祐…?あぁ、ちょっと待ってて」
そう言うと、柏崎先輩はどこかへ行ってしまった。
…どこ、行ったのかな?
1人寂しく、廊下にぽつんと立っていると、
「誠ちゃーん!ゴメン、何かあった?」
急ぎ足でこっちに向かってくる佐野先輩と、その後ろをマイペースに歩いてくる柏崎先輩。
「あ、その…。この間、相談乗ってくれてありがとうございました。これ、その時のお礼です…」
クッキーを差し出すと、佐野先輩は嬉しそうに目を輝かせていた。
「これくれるの!?」
「あ、はい…。味は、保証できないですけど」

