放課後。
2年の教室へ、私は向かっていた。
もちろん、相談に乗ってくれた佐野先輩にお礼をするために。
昨日の夜作ったクッキーを片手に、急ぎ足で2年のクラスへ向かう。
「あの子、体育祭でメイド服着てた子じゃない?」
「あ、あの可愛かった子かぁ~」
廊下を歩くたびに、2年生のヒソヒソ声が聞こえてきたけど、何を言ってるか気にしてる暇はなかった。
キョロキョロと佐野先輩を探しながら歩いていると、電話で誰かと話している柏崎先輩を見つけた。
その瞬間、私の顔に熱が集まる。
「――…うん、分かってる。じゃあ、5時に迎えに行くから」

