いや、俺は謝ったし俺の中では終わったことなのにコイツが勝手にキレてるだけだよ母さん、と怖いくらいに機嫌の悪い妹の前でそんなことは言える訳がなく。 「ごちそうさま」 詩織は食器を持ち、席を立った。 台所に食器を置いた後、歯を磨くために洗面所へと向かっていった。 まあとりあえず、アイツの方から席を離れてくれてよかった。 そう安堵していると母さんが「夏夜、あのね」と切り出し申し訳なさそうにこう言った。 「お母さん、今日も遅番になっちゃったの」