職員室の中にはあたし以外誰もいなかった。
席に着くのとほとんど同時に誰かが扉をノックした。
ガラリ、と扉が開く。
「2年7組の桜井でーす。望月センセいますかー?」
クラス全員(多分)が提出したノートの入ったかごを抱えた英語係の桜井が職員室に入ってきた。
「ありがとう。ご苦労様」
あたしは笑顔で受け取った。
桜井はあたしの顔を見て、何か言いたげにしている。
「桜井さん、何かあたしに言いたいことでもあるの?」
「え」
桜井は一瞬キョトンとした顔をしたがすぐに目を泳がし「な、何のことデスカ?」と言った。
……わ、わかりやすっ…!


