「先生、俺もヒマじゃないんスよ」 暗黙の了解で屋上までやって来た倉田は苦笑いを浮かべた。 「アンタがあたしの授業で居眠りさえしなかったらあたしだってアンタを呼ばないわよこの三年寝太郎が」 「三年も寝てねぇわ!!」 倉田がナイスなツッコミを入れる。 「女ってめんどくせぇ……!」 「桜井のこと?」 「なんで桜井さんなんだよ。詩織といい望月といい何なんだよ……!」 詩織って確か……。 「詩織って誰」 「俺の妹」 ああ、やっぱり。