「や、なんでもない、ごめんなさい……」 「や、大丈夫だけど」 颯汰が笑う。 や、こんなんさ、あたしが颯汰のこと好きみたいじゃない……! いや、それはないない! あたしは、26年間恋なんざしたことなかったんだから! なんで、あたしここにいるの……? 「―紗、麗紗」 颯汰があたしを呼んだ。 「え、何?!」 「バニラアイスできてるよ」 「あ、ありがとう」 颯汰の顔がまともに見れなかった。 「いただきます」 あたしはスプーンでアイスをすくった。