しばらくすると詩織が自分の部屋から出てきたと思いきや、俺が汚したクッションを抱いて洗面所へ直行した。
洗面器の中に洗剤をお湯で割り、泣きながらクッションを地道に洗い始めた。
一人部屋に閉じこもって泣いていても時間のムダだと気づいたのだろうか。
少しかわいそうになって来た。
「詩織、悪かったな」
俺は詩織に謝ることにした。
まあ汚したの俺だしな。
しかし、詩織は振り向きもせず冷たく返した。
「謝って済む問題じゃないのよ。全部お兄ちゃんが悪いんだから。あたしお兄ちゃんとゼツエンするつもりだし」
……どうやら俺はよっぽど許せないようなことをしたらしい。


