「……見えないっ」


あたし、桜井莉子はクラス発表のプリントが貼ってある壁に群がった人達の後ろで一人背伸びをしたりジャンプしたりしてなんとか自分のクラスを探していた。

でも全然見えない。

あたし、身長は153㎝しかないし仮にジャンプして見えたとしても視力もあまり良くないためどちみち見えない。

あたしの身長がもうちょっと高かったら、あたしの視力がもうちょっと良かったら。

体は小さめだから人混みの中でも隙間を通り抜けたり割って入るのは得意なんだけど、先に見に来た人に申し訳ないからそれはしない。