一時間みっちり歌って、あたし達はカラオケボックスから出た。 「今日はありがとう」 「こちらこそ。あ、送るよ」 「大丈夫よ。近くだし」 「そうか?まあ夜道には気を付けて」 「ありがとう」 そう言葉を交わし、あたし達は別れた。 颯汰は他の人、いや男とはなんか違う。 気さくっつーか、一緒にいて楽しいっつーか。 初めて他人と過ごして楽しいと思った。 初めて他人ともっと一緒にいたいと思ってしまった。