「純平って、麗紗さんには頭上がらないんだな」 稲森颯汰はフフッと笑った。 「あの、あたし貴方のことなんて呼んだらいいですか?」 「颯汰でいいよ。あと敬語使わなくていい。キミのことも麗紗でいいかな?」 「いいわよ、それで」 それから何時間か颯汰と話していた。 颯汰とはなかなか気が合うようで、時間が経つのを忘れるくらい楽しかった。 男と会話して楽しかったことなんて、初めてかもしれない。 「純平ってさ、やっぱ高校時代もああだった訳?」